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登場人物

Crauzelの物語を紡ぐ数多の登場人物。その一部を紹介します。

ネオ・アカデメイア

ネオ・アカデメイア

クラウゼル国内の非聖教勢力等がクラウゼルの主権者となるべく結成した同盟組織。
古代クラウゼルの滅亡と共に衰亡した魔道を復興し、その所産による繁栄を求めている。
聖教側からは、古代邪教徒と呼称されている。
髑髏面の魔術師

髑髏面の魔術師(マルバス)

本作の主人公。
ネオ・アカデメイアの魔道研究機関と特務機関を兼ねる魔道衆『セント・レライエ』の長であり、クラウゼル魔道、特に生命冒涜の極致とも言える屍霊術に長ける暗黒魔道師。
クラウゼル王国王党派貴族の庶子として生まれるが、叔母である魔女レライエに拉致され、彼女の下で魔道に魅入られて育った。しかし、レライエの古代魔道国家復興の野望が崩れることを悟り、彼女からの歪んだ愛情から逃れたいという思いも手伝って、レライエを裏切り陥れ、その後紆余曲折を経て宗教界に入り、聖教社会から聖者としての誉れを得る。
しかしマルバスの真意は魔道にあり、その後聖教の中枢から離れるとともにネオ・アカデメイアに接触、かつてレライエを裏切ったという汚名を注ぎ、魔道衆の長にまで上り詰める。 自らの表の顔である聖者と賞賛された聖教司教としての顔と、自ら率いる魔道衆セント・レライエ、ネオ・アカデメイアで築き上げた信任をもって、古代クラウゼルの復興と魔道の極致の追究のために策謀を廻らせる。

デロン・シュラウク

マルバスの幼少からの知己で、危機的状況をあらゆる戦術で打開する事を旨とする、魔道衆野伏隊の隊長。
クラウゼルにありふれた寒村の出で、生まれつき体が腐敗して行く奇病に冒されていた。両親にも見捨てられ、命尽きる寸前に魔女レライエに拾われ、その玩具となる事で一命をとり留める。
屍霊術の応用によって肉体の腐敗を抑止され、のみならず常人を超える身体能力を得ているが故に、自らを『天然の屍霊』と自嘲するが、実際は己の命に対して狂気的なまでの執着を見せる。
自らにとって女神にも等しいレライエを陥れ殺めたマルバスを怨敵と憎んでいたが、ネオ・アカデメイア内部での利害関係と、マルバスのレライエを超える奸雄ぶりに心服し、今は既に和解している。
デロン・シュラウク
カサル・フランブル

カサル・フランブル

強靭な巨躯を肉厚の白甲冑に包んだ、魔道衆の装甲兵隊長。
オーガ種が繰り返して来た異種略奪婚の末に生まれた、悲劇の知性深きオーガの少数亜種族、フェドゥラン・オーガ族の若き長。
依然異種を犯し喰らう事を止められず、誇りも未来も無い同胞達の現状に嘆いていた少年時代に魔女レライエと出会い、そのあるべき道を諭され、全ての同胞と共に彼女の下僕となる。
平常の性格は非常に穏やかで紳士的だが、一度殺戮の性に火がつくと無言のままに周囲の敵を挽肉に変えてゆく。素質的限界から術力に大きく劣るが、魔道の理論や、学識の深さに関してはヒューマンの同業者もしのぐ一流の学者でもある。
デロンと同様の経緯からマルバスを憎悪していたが、やはり現在はマルバスをレライエの後継者と認め、忠誠を誓った。

カーリー・エルラード

弓術と術法に達人的造詣を見せる女野伏。
東方異教圏の高貴なる種族、トゥーラ・ヘイラーネイグベムの生まれにありながら、同性愛の罪状で一族を放逐された身。異教圏の交易商としては成功しながらも心的な寄る辺に飢え、そこを両性愛者でもあったレライエにつけこまれその虜となった。
自分こそがレライエ最愛の恋人、その魔道の後継者であると公言して憚らず、現在でもマルバスやデロン、カサルをレライエの玩具に過ぎない小僧共と卑下している。
レライエがマルバスの裏切りで死に至ってからはさらに彼を憎悪するが、ネオ・アカデメイアの組織内事情とマルバスの実力と実績に手は出せず、歯軋りしながらも彼に手を貸さざるを得ない立場にある。
カーリー・エルラード
オドアケル・ガナッシュ

オドアケル・ガナッシュ

ネオ・アカデメイア現総帥。
クラウゼル土着民の貧しい境遇から、傭兵稼業によってクラウゼルの非聖教勢力で最大の権力を握るまでにのし上がった傑物、その経歴から傭兵王の異名で知られている。
レライエによるネオ・アカデメイア設立当初から幹部を務め、レライエの横死後は組織の総裁職を継承、イヴォーと共に当時、秘密組織としての運営を巧みに切り回した。
 二年前にネオ・アカデメイア蜂起を決行してからも、傭兵上がりの実践的軍略を遺憾なく発揮、王党軍、連合軍の双方を跳ね除け順調にその戦線を掌握している。

イヴォー・ベマントフ

ネオ・アカデメイア副総帥。
聖教圏の奴隷階級にありながらも、独自の社会共同体を持つ雑種族バフィラン。その中でもクラウゼルのコミュニティの中で第一人者の地位を持つ調停役である。
 ネオ・アカデメイアの創始者であるレライエには過去に何度かに渡る深い恩義があり、その心酔ぶりは強い。若い時分にはオドアケルと彼女をかけて争ったようだ。
イヴォー・ベマントフ
レライエ・ファウストベル

レライエ・ファウストベル

ネオ・アカデメイア創設者。故人。
クラウゼル王党派貴族ファウストベル家出身の女性。才能に溢れ、幼少期より王室修道会に所属していた敬虔な女教であったが、聖教の述べる神の理想郷とクラウゼルの現状との隔絶に苦悶し、ファウストベル家に伝わる古代クラウゼルの魔道を再興することで、その理想郷の道標を得ようと努力する。
兄イズライルや、盟友カーリー、ダニエラの協力を得て魔道の復興を着々と進めていくが、とある魔道実験の最中、自らの理念と理想を打ち砕く真実を悟り発狂、古代クラウゼル魔道復興に狂信的な執着を見せ、甥マルバスの拉致、大量の人体実験といった様々な凶行に走るようになる。
その果て、古代邪教同盟『ネオ・アカデメイア』を結成。彼女に共鳴する多くの協力者を得る一方で、イズライルやダニエラといった嘗ての盟友は、聖教に仇なす存在となった彼女と決別。最終的にファウストベル家の汚点となった彼女を抹殺せんとするイズライルの差し向けた討伐軍と、彼女を見限ったマルバスの裏切りにより捕縛され、魔女として拷問の末焚刑に処され、死亡した。
故人でありながらも、マルバスをはじめとするネオ・アカデメイアの者たちに大きな影を落としており、未だ重要人物の位置を占める。
クラウゼル王国

クラウゼル王国(ウェーラルロック王党派)

クラウゼル西部の貴族を中心として成立している王国。
クラウゼルにはびこる邪教徒と連合派諸侯を平定し、クラウゼル全土の統一を成すことを目指している。
ステファン・デュオ・ウェーラルロック

ステファン・デュオ・ウェーラルロック

西部貴族を中心として成立したクラウゼル王国の現国王。
 歴代の王の中でも既に外交に見るべき実績を挙げ、聖法庁及び、マインク帝国をはじめとした聖教圏諸国の列強から、クラウゼル統一のための数々の支援を取り付けることに成功、次はそれらの行使によって統一の大きな障害である邪教徒と連合派諸侯を平定するべく着々と準備を進める。  三元帥と呼ばれるワシル、クォーゼル、イズライルなどの将軍や、宗界ではダニエラなど有能な臣を率いているものの、連携は最善に取られているとは言い難い。

イズライル・ファウストベル

ファウストベル伯爵家当主、マルバス、シャックスの実父。古代クラウゼルのバルベリト氏族の末裔として古代魔道復興に努める事を嫌い聖教圏貴族としての繁栄を望んだため、聖教を暗に捨て、魔道に生きることを選んだ妹レライエとは深刻な対立を抱くことになった。
レライエが自らの念願の邪魔になることを悟った彼は表面上は妹のネオ・アカデメイア運営に手を貸していたものの、後に自ら妹を邪教崇拝の罪で訴え、巧みな弁舌で自らの潔白をステファン王や聖教に認めさせる。それ以前からもステファン王の右腕として働いていた彼はその後も出世を果たし、王党派ではワシル、クォーゼルに並ぶ三元帥となった。
ファウストベルの家系代々にありがちな酷薄な陰謀家だが、息子達には純粋に深い信頼を寄せ、自らの誇りとしている。
イズライル・ファウストベル

ワシル・オービッツ

クラウゼル三元帥の一人。王国近衛兵団を任せられている老臣であり、ステファン王の懐刀。
忠義と思慮の深さは確かで、常に戦場では重要局面の指揮を任せられている。

クォーゼル・ビシェンテ

クラウゼル三元帥の一人。
三元帥に並び称される王国幹部であるが、ステファン王からややもすると邪険に扱われており、今戦役の経済負担を肩代わりさせられるなど損な役回りをまま押し付けられていて、暗に王室への不満を蓄積させている。
クォーゼル・ビシェンテ
ダニエラ・フュダルロック

ダニエラ・フュダルロック

王室修道会の長として、クラウゼル国内のレガッセル派普及に勤めている国内最大の宗教的権威。
魔道に転向するかつてのレライエとは共に聖職者の道を志した朋友であり、彼女が混沌の狂気に冒されてからも道を取り直す様説得と論争を続けたことがある。
宗教者ながら、魔道について一定の理解を示し、優れた戦略的知見も持つ才媛。その術法能力も一級である。

シャックス・ファウストベル

ファウストベル伯爵家の嫡子。マルバスの腹違いの弟。
表向きは父イズライルの持つ宗教的敬虔さと優れた才能を引き継いた紳士として振舞っており、イズライルの後継者として王党派内でも期待されている人物であるが、裏でネオ・アカデメイアに内通しており、覇道への野心を暗に秘めている。
シャックス・ファウストベル
ロステル聖騎士団

ロステル聖騎士団(ロステル連合派)

クラウゼル東部のロステルに拠点を置く聖騎士団。
聖教圏から古くよりクラウゼルに入植した者達であるが、時代が下って入植してきた王党派に駆逐され、現在のクラウゼル東部に追いやられた。
長きに渡るクラウゼルでの活動により、聖教を崇めながらも生活習慣はクラウゼルの先住民のそれと混交しつつあり、宗主国の違いもあって王党派とは同じクラウゼル民といっても互いに相容れ難く、確執は未だ続いている。
ヘリエル・クロウバー

ヘリエル・クロウバー

クラウゼル東部貴族の最大の名家、クロウバー公爵家の当主にして、ロステル聖騎士団の団長を務める若き騎士。聖法庁の目に余る腐敗とクラウゼルへの弾圧に義憤を抑えきれないでいる。
その勇猛さはクラウゼル随一。生まれ持った戦士としての肉体的素養はクラウゼルの混沌の作用もあってか超人的なものであり、また実戦の戦術家としても極めて有能であるが、直情的・教条主義的な所も強く、戦略眼はやや冴えない。こと政治の駆け引きに関しては視野が狭窄しており思考が及びにくい。

ヨアヒム・クロウバー

ヘリエルの実弟。兄の大義を信じて疑わず、その副官として忠実に任務を全うする。若さも手伝ってか正義感や不正を憎む心は強く、直情的。
ヨアヒム・クロウバー
ボリス・ラーゲンロック

ボリス・ラーゲンロック

ロステル聖騎士団副団長。敬虔な信仰心と強い正義感を持った優れた騎士であるが、それでいて頭に血の上らない冷静な戦術家。
ヘリエルと志を共にし、彼を補佐するが、彼の美辞麗句に酔った場当たり的なやり方の尻拭いをされることも多く、内心不満を抱き始める。

ブランコ・オルバン

聖騎士団の幹部。持ち前の世渡り上手でコツコツと出世を重ねてきた。
連合派では最も現実主義的な人物であり、醒めた目で自分達を取り囲む情勢を眺めることが出来る人物であるが、その決断は時として冷淡に映る。
ボリスと同様、ヘリエルのやり方に限界を感じている。
ブランコ・オルバン
ファル・ロ・ヴォルダ聖騎士団

ファル・ロ・ヴォルタ聖騎士団

聖教の中心国家マインク帝国のヴォルタ砦に拠点を置く聖騎士団。
聖教圏最高級の軍事力を有し、聖教の中枢たるアルテ聖法庁の意向を代行することを任務とする、聖教の軍事的象徴ともいえる聖騎士団である。
騎士団長アエリアを筆頭に、聖教の逸材が集結している。僧侶時代のマルバスも客任として籍を置いていた。
アエリア・アピアテス

アエリア・アピアテス

ファル・ロ・ヴォルタ聖騎士団長を若くして務める女傑。
聖教圏最大級の貴族アピアテス家の出身にして、女性にも関わらず並の騎士を上回る屈強な肉体に類稀なる才覚とカリスマを持ち合わせた稀代の女騎士である。
己に絶対の自信を持ち、自らを『星辰の使者』と公言して憚らぬ人物。マルバスの僧侶時代の旧知であり、彼の才能を認め下僕として従えることを望んでいた。マルバスも彼女に対し複雑な感情を抱いている。

アディラ・ザムザ

ファル・ロ・ヴォルタ聖騎士聖典顧問を務める女教。
アエリアの後輩にして側近であり、幼時から付き合いのある姉妹にも近い関係である。
与えられた任務を堅実に果たす有能な才媛で、現場で多忙なアエリアの代わりにファル・ロ・ヴォルタの事務的な処理から、交渉事まで一切を任せられることも多い。聖術師としても上位の実力の持ち主。
 淑やかそうな外見とは裏腹に皮肉屋の毒舌家な一面も持つが、そうして語ることの大抵は深く的を貫いている。故に他人から煙たがれ易い。
アディラ・ザムザ
オリヴァ・バールゼント

オリヴァ・バールゼント

ファル・ロ・ヴォルタ聖騎士団幹部であり、年齢、地位の両面で騎士団の長老と言える人物。
出自は貧乏貴族の末弟で、若い頃はマインク国内で傭兵業と盗賊行為を繰り返し大暴れしていた豪放な人物であったが、そのような逸材を求めていた当時のファル・ロ・ヴォルタ聖騎士団長によってかなり強引な手法で引き抜かれた。
その数十年に渡って聖騎士団内の軍事的支柱を成すようになり、年老いても武勇は盛ん、ともすれば粗暴だった人柄は丸くなり、聖教へ本心から敬虔さを見せるようになったものの、酒色に溺れ易い性格も相変わらず。総合的に見れば幹部の中で最も人間味溢れる人物なので彼を敬愛する若い騎士は多い。

マヌエル・ラバルモア

マインクの貴族ラバルモア侯爵家の望まれぬ私生児として生まれ鬱屈とした幼少を過ごす中、聖教への信仰を心の糧としてきた人物。冷淡な皮肉屋と熱狂的な狂信者の両面的性格を持ち合わせる複雑な人柄だが、基本的に武人としては戦術と戦略に達観した眼を持つ合理主義者であるため精神的な不安定さを露出させる事は極めて稀。
自らを聖騎士団に引き入れてくれたアエリアに対しては、上位の女性に向けるには極めて騎士道的とも言える献身的好意を抱いており、アエリア側もそれを是と受け入れている。マルバスとも何度か面識があったが、アエリアの積極的な申し出を拒否し続けた彼への理解に苦しみ、ともすればかなりの嫌悪を募らせていた。
マヌエル・ラバルモア