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ストーリー
後にウェアディエルと呼ばれる大陸の西部、
荒涼なる大地が広がるこの地には

いつしか唯一神シオスと
その神が遣わした聖者達の教え‥

ウェシアン聖教を団結の柱とする
封建社会が形成されていた。

この聖教の影響域の東端に、聖典において
『災厄の地』と記されるクラウゼルという地方がある。

聖教圏の王侯と高位聖職者達は古くから
このクラウゼルに対して過酷なまでの支配を重ねてきたが、

それはクラウゼルが常に東部の強大な異教圏、
極めて異質な種民族達の領域と接していることに強く警戒し、

これらの脅威から、聖教を守り抜かんと
するための重要な大方針であったとも言える。

だがその背景の中で数百年に渡り続いてきた
クラウゼルの歴史は聖教と異種達の狭間の中で、
動乱に動乱を重ね続け、

聖教圏の中で、最も深刻な貧困と
熾烈な抗争に彩られていた。

やがて、これらのクラウゼルの長き受難の元凶が
聖教そのものにあるとみなし、
神無き救済を目指す者が現れた。

彼女の名はレライエ。かつては
敬虔さに知られる聖教の女祭であったが、

皮肉にもそれ故に聖教に仇成す魔道の存在を見出し、
狂気と共に転向へひた走った魔女。

だが、余りにも急進的だったその思想はおよそ
クラウゼルの諸侯には受け入れられず、

レライエは実兄イズライル伯爵の
討伐軍に捕縛され、焚刑台の灰に消えた。

だが、彼女の思想はやがて
クラウゼル内の反聖教勢力に浸透し、

十数年後には傭兵王オドアケル率いる
古代邪教同盟‥ネオ・アカデメイア誕生の礎となった。

この邪教勢力の駆逐に、本来は聖教圏の一翼として
全力を尽くすべきクラウゼル王国の諸侯達であったが、

現クラウゼルの体制が成立して以来続いてきた
王党派、連合派間の派閥対立は近年において
さらに激化の一途をたどり

邪教徒への対抗を互いに牽制すらし合う有様だった。

時は聖刻暦1021年冬季。
『災厄の地』クラウゼルの歴史にしてみれば、
一つのありふれた情勢に過ぎぬ、この戦役の果てに‥

いずれは、この混沌の大地に生を営む全ての人の子に
及ぼされるであろう、巨大な変革と怨嗟の渦が生まれようとしている。